#2 松島調
学習意欲に火をつけるプロのファシリテーターが勢ぞろい!知識ゼロでも大の苦手でも、もっともっと学びたくなる。語学からエクササイズまで、世界に一つしかないオリジナル授業を楽しめるオンラインコミュニティ「marugakuen°」(○学園)。世界15か国以上から集まる学習者の学びを応援する、個性豊かなファシリテーターをご紹介します。
(文・安藤陽子)
『Let's にほんご』(土曜14:00-15:00)ファシリテーター、松島調(Nari Matsushima)です。私の学級では、毎回10〜20人くらいのメンバーが、その日のテーマをめぐって日本語での対話を楽しんでいます。 参加者はベトナム、シンガポール、イギリス、キルギスなど...世界各地から。おたがいに「知りたいこと」「伝えたいこと」が無限に広がる1時間です。 ほかの日本語教室との違いは......そうですね、まったくの初心者と日本語ペラペラの人が一緒に学び合っているということかな。いわゆる「日本語レベル」なんてバラバラだし、まったく関係ありません。 「レベルの差がありすぎると、授業が成り立たないのでは?」って、疑問に思う人もいるかもしれませんけど、人間みんな「だれかと同じレベル」ということはあり得ないんですよね。 知っていること・知らないことには一人ひとり必ず差があるし、どれだけ学んでも終わりはない。その前提に立って、集った人どうしでどれだけ補い合えるか。それが、『Let's にほんご』の目指す対話活動です。
<学級の流れの一例> ①アイスブレイク:「昨日なに食べた?」 ②メイン活動:「新年の抱負」 ③10分コーナー:当番制で好きなことを発表する ④ひとこと日記: ⑤ふりかえり:その日取り組んだこと、学んだこと、次に知りたいことを記録する。
学びを定着させる近道は、学習者どうしの『教え合い』と『学び合い』です。エピソード記憶にもなりますので、それを何よりも大切にしています。ファシリテーターの役割は、みんなが質問したくなる、話したくなる『燃料』を投下すること。だから、私はなるべく喋らないようにしています。 『教え合い』と『学び合い』って、簡単なようで難しいですよね。まず、ほとんどの人が「これって、どういう意味ですか?」と言い出せない。わからないことを質問するのって恥ずかしいし、つい遠慮してしまうものです。その殻を破れる雰囲気を参加者みんなで作っていくのも、学びの一環だと思っています。 ▼日本語学習者の間で苦手意識の強い漢字をテーマにした「漢字の宇宙」という回では、漢字について知っていることをシェアしたり、漢字を創作するワークを通して、一つ一つの漢字の成り立ちに興味が湧いてくるようなセッションを行った。
できる人にとって、教えるのは「面倒だな」と感じることもあるかもしれません。でも、 たとえば日本語ネイティブの人と日本語ノンネイティブの人が一緒に学んでいると、日本語ネイティブが気にしたこともないような疑問が飛び出したりして、すごく勉強になるんですね。
当たり前だと思っていたことが、当たり前ではないことに気づかされるというか。日本語初心者の人が、日本語ペラペラの人の視野を広げることがいくらでもある。それが面白くて『Let'sにほんご』に参加しているという日本人のメンバーも、結構いるんですよ。
「学習」というと、カリキュラムや教科書が用意されていて、先生は教える人、学習者は教えてもらう人......というイメージがすごく強いですけど、教科書に書いてあることは、教科書を読めば済むわけで(笑)。せっかく集い合って学ぶなら、「おたがいを知る」「自分の思っていることを表現する」機会であってほしいと願いつつ、対話の「燃料」を仕込む日々です。
私にとって「学び」とは、人生そのものです。世界は不思議に満ちていて、一生のうちに知り尽くすことなんて到底できません。終わりがないからこそ楽しい。「分かった」なんて思った瞬間、人生つまらなくなるでしょう?新しいことに触れて、脳内が攪拌されて、自分が拡張されるとき、人は人間らしく生きている実感を持てるのではないでしょうか。 『Let'sにほんご』の対話活動は、すべてがリアル。自分たちと関係のない内容の文章を、ロールプレイしたりリピートすることはありません。居合わせた人たちの多彩な個性が化学反応して、学びのコンテンツが生まれます。国籍も年齢も一切不問です。みなさんも、レッツ・エンジョイ・ライフ!
marugakuen公式サイト: https://www.marugakuen.com 公式Instagram:https://www.instagram.com/maru_gakuen/
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